Wednesday, April 09, 2008

肥満、負債そして経済学

肥満と負債。一見関係なさそうであるが、大いに関係があることがわかってきた。

経済学が無用の長物であるという諦観も過去のものと感ぜずにはいられないこの研究に「人間行動の実態」に迫る経済学の気迫を覚えよう。

阪大の池田新介先生の論考を以下4つ。

(1)肥満と負債、強い相関

(2)人間心理と多重債務問題

(3)「せっかち」な人ほど肥満化する

(4)経済行動を左右する『時間割引率』

この肥満と負債の関係を説くキーワードが「時間選好率」(time preference)、「時間割引率」という概念だ。これは池田先生のご専門であるマクロ経済学、ファイナンスにおいてかなり重要な概念である。しかしながら、これは実際あまりわかっていないというのが本音であったが、近年阪大の精力的な研究によりその実態が明らかになってきたようである。

この研究は小生も高い関心をもって注目している。かなり高い政策的含意を秘めているだけではなく、経済学にある古くからある問題(たとえば「Ricardo=Barroの中立命題」や「政策無効命題(policy irrelevance)」など)に新しい光が当てられるように感じているからである。

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