自殺についての詳細なデータである。
(1)自殺死亡率の年次推移をみると、明治32年の5,932人から昭和11年の15,423人までは増加傾向を示しているが、昭和12年から戦時中まで減少傾向となっている。戦後についてみると、ドッジライン以降のデフレ不況(1949~1950)、なべ底不況(1957~58)と第1次平成不況(1991~93)、第2次平成不況(1997~2000)では特に高い推移を示しているように見える。明治以降一貫して、自殺率は増加しているように見える。
(2)性・特定年齢別自殺死亡率をみると、自殺死亡率は男性の方が多く、男性の50~54歳台の自殺率の増加が目に付く。
(3)性・年齢階級別死亡数に占める自殺死亡数の割合、自殺の死因順位をみると、平成15年の自殺死亡数の総死亡数に占める割合は、男女とも「25~29歳」が最も高くなっている。
(4)死亡曜日別にみた自殺をみると、月曜日が多く、死亡時間別にみた自殺では、男は「0時台」「5時台~6時台」が多くなっており、女は「5時台~6時台」「10時台~12時台」が多い。月別にみた自殺では、多くの年で4・5月がピークになっており、配偶関係別にみた自殺では、男は平成7年・12年ともに「離別」がすべての年齢階級で高く、女は40歳以上については、「未婚」が「離別」と同程度となっている。
(5)都道府県別にみた自殺では、 最高は男女とも秋田県、手段別自殺死亡数割合では、「首吊り」が最も多く、男女ともに14大都市では「飛び降り」が多くなっており、郡部では「縊首」「薬 物」が多くなっている。
(6)職業・産業別にみた自殺では、「就業者総数」では男32.9、女8.9、「無職」では男70.8、女21.9となっており、特に男の「無職」が高くなっている。また、就業者を職業別にみると、男女ともに「第1次産業」が高くなっている。男では特に「サービス職業従事者」が高くなっている。
非常にラフなまとめであるが、「男で、20歳代後半、未婚か離別、無職または第1次産業かサービス産業従事者、秋田県在住で、4月か5月の月曜日の明け方5時ぐらいに自殺しやすい」と言う結論が得られる。これが何を物語るのかは分からないが、傾向として見られるようだ。
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