Sunday, August 18, 2013

安倍氏の一人当たり名目GNIを150万円に増やすという話

http://www5.cao.go.jp/keizai-shimon/kaigi/cabinet/2013/2013_basicpolicies.pdf

2013年6月14日の閣議決定された「骨太の方針」における

「一人当たり名目国民総所得(GNI)を10年後に150万円以上増加する」という文言の根拠について考えた。

「黄金律」の考えに従って考えよう。黄金律とは、一人当たり消費量が最大となる一人当たり資本量のことを指す。

具体的には、一人当たり資本量をkとして、

(1)⊿k=sf(k)-(n+g)k, s:貯蓄率,f(k):一人当たりGNI,n+g:実質GNI成長率

(2)f(k)=k^α,α:資本分配率

として、⊿k=0のときのkの値をk*として、

(3)c=(k*)^α-s(k*)^α,c:一人当たり消費量

を最大にするk*を求める。

具体的な計算は省くが、日本はs=21%,α=30%なので、日本は黄金律に到達していない。黄金律を達成するためには、貯蓄率を42.9%だけ増加させなければならない。

よって、1人当たり資本ストックを61.3%、一人当たり生産量(一人当たりGNI)を18.4%上昇させなければならない。

そうすると、2011年の一人当たりGNIは380万円なので、450万円まで、すなわち70万円だけ増加させればよい。

150万円だけ増加させるには今後10年間でおよそ年率4%弱(3.9%)だけ上昇させる必要があるが、70万円なら10年で年率2%弱(1.8%)上昇で済む。

2011年の人口成長率は0.3%だから0%だと仮定すれば、

インフレ分を除いた実質経済成長率を今後10年でおよそ2%成長させれば、国民の生活水準は改善する。


補足(03/02/2014)

(3)式より、c=(k*)^α-s(k*)^α=(k*)^α-(n+g)k*

よって、k*={α/(n+g)}^{1/(1-α)}  となる。ここで、⊿k=0のとき、

k*={s/(n+g)}^{1/(1-α)} なので、

黄金律では、

(4)s=α

が成立する。本文では、s<αであることが言え、sをαの値にするには42.9%だけsを増加させるべきだと言った。

Thursday, August 15, 2013

Krugman on Friedman

August 11.2013, NY times

the experience of the past 15 years, first in Japan and now across the Western world, shows that Keynes was right and Friedman was wrong about the ability of unaided monetary policy to fight depressions. The truth is that we need a more activist government than Friedman was willing to countenance.