Thursday, June 29, 2006

税金は個性にかかる?!

イケメン俳優で知られるオダギリジョー氏と私はどう違うのか?

オダギリジョーのほうが、スタイルもよく、演技もうまく、映画や番組の出演に忙しい。オダギリジョーは話題のイケメンとして、番組の出演依頼は多い。ところで、当の私は、時給750円のアルバイトで、週5日働いて年収90万円ほどである。そのほとんどは、都会の高い家賃と光熱費に消えている。もちろん年金なんて払えない。社会保険にも入っていない。怪我をすれば大変である。

「格差社会」とよく言われている。今日の日本社会では、所得格差が広がっているというのである。人々の間の所得の格差をある程度縮めるために、「累進課税」という税制がある。これは、所得の高いオダギリジョーにたくさん税金がかかり、私にはあまりかからない、という税制である。

もっと詳しく言うと、所得が増えれば増えるほど、税率(所得に対する税金の割合)がそれだけ高くなる税制を累進課税制度といい、オダギリジョーの所得にかかる税率は私にかかる税率よりすごく高くなる。(どれだけ税金を支払っているかは、職場からもらえる源泉徴収票または市役所で発行される課税証明<たいてい発行手数料がいる>などで確認することが出来る。)

さて、オダギリジョーは私より税金を多く支払わないといけないのであるが、それは、オダギリジョーのほうが私よりもたくさん儲けているからである。なぜオダギリジョーがたくさん儲けるのか? 出演映画がヒットするからである。ならば、なぜ出演映画がヒットするのか? オダギリジョーがイケメンだからか? 演技がうまいからなのか? 

仮にイケメンだから税金をたくさん支払わなければならないとすると、政府はイケメンに重い税金をかけていることになる。また仮に、うまい演技であれば、うまい演技に重い税金がかけられることになる。

この場合を考えると、結局何に重い税金をかけているのかはっきりしない。税金は最終的にオダギリジョーの「個性」にかけているのであるなら、なぜ私の「個性」にはかからないのか? 私は「お金になる個性」を持っていないからである。ならば、どうすれば個性はお金になるのか、儲かるのか。税金のかかる個性とはいかなるものなのか?

税金は見た目は所得にかかっているが、実際は所得を生み出す原因、行動に対してかかっているのである。だから、ガソリンに高い税率をかけると、ガソリンが減るのではなく、ガソリンの価格が税金分だけ高くなり、自動車の乗車率が減り、バス・電車の乗車率が増えるのである。タバコに重い税をかけると、喫煙率が減り、二コレットが売れるのである。

仮に、政府は「儲かる個性」に重い税をかけているとすると、その政策的効果はいかなるものなのか? 「儲かる個性」を発揚することが妨げられるのか? 個性を発揮する場所が減るのか? 今のところ、私には想像できない。

1 comment:

株式の税金 said...

とても魅力的な記事でした!!
また遊びに来ます!!
ありがとうございます。。