Wednesday, January 15, 2014

消費税の効果について〔覚書〕

簡単なミクロ経済学で考えよう。2期間モデルというもので、個人は現在と将来を生き、消費と労働供給を決定する。

max   U(c1,k1) + (1+ρ)^(-1)U(c2,k2)
{ci,ki} i=1,2

st.  (1 + t1) c1 + (1 + t2)(1+r)^(-1) c2 = w L1 + (1+r)^(-1) w L2
     ki + Li = Ti, i=1,2

U(ci, ki)=ln(ci)+ln(ki): 対数効用関数
ci: i=1,2期の消費
ki: i=1,2期の余暇
ρ: 割引率で一定値
r: 実質金利で一定値
w: 実質賃金で一定値
ti: i=1,2期の消費税
Li: i=1,2期の労働供給
Ti: i=1,2期の利用可能時間で一定値

結論は、

(1)       (c2-c1)/c1 = (t1-t2)/(1+t2)  ただし、r=ρである。

(1)式は、 もし将来税金が上がると(t2が増える)、消費の将来伸び率  (c2-c1)/c1 が減少する、という。この時、労働供給は一定であるが、これは効用関数の形状によっている。
 
(2)       (Li - Ti)/ci = (1+ti)/w

(2)式は、税金が上がると(tiが増える)、 消費水準 ci は労働供給を一定だとすると減少する。


よって、消費税増税は、今日の消費水準だけでなく、将来の消費の成長率も減らす。

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